FindingMyDad

認知症を患い行方が分からなくなった父の捜索と。。

認知症患者の個人賠償責任と個人賠償責任保険について

f:id:toratake27:20170220184112p:plain

地方、とりわけ過疎の傾向が強い地域と言えども、何等かの理由で認知症患者が公共交通を始めとし損害を与えてしまうことは考えられなくはございません。都心でしたら交通機関が多い分尚更です。

私の場合、実は父が行方不明になった際、交通機関(JRさん)へ線路上で何か有りましたか?とお聞きし確認をしたほど家族としてかなり気になることなのです。今の所そのような報告や発見連絡等は頂いていませんが。。

また、先日講演をさせて頂いた際も私への質問ではなかったのですが、損害賠償責任保険についてご質問された方がいました。講演に来られた方もやはり気になる関心事だったのだと思います。

本件、私自身も新聞紙上で公にされている内容以外に全く知識がございませんでしたので少し纏めてみたいと思います。

発端とした出来事

ご家族の気持ちを察するとこうして記載することも大変憚れますが、多くの方がこうした事を知ることで少しでも不安やその後の対応に活かせればと考えますので概要だけですが記しておきます。

 

2007年に当時91歳になられる認知症を患った男性が列車にはねられ死亡されました。

JR東海さんが、その男性とご子息を「監督義務者」とし運行遅延の損害賠償720万円を請求。その後、2016年3月に最高裁JR東海さん側の請求を棄却し結審しました。

この結審で課題として出てきたのが、どのような場合に賠償責任を負うのかという点でした。明確な線引きをお示しにならなかったという事が少し話題になりました。

そもそも賠償責任保険とは

では、そもそも賠償責任とはどのような責任でその保険はどうなっているのか?という点をお話します。

意図の有無を問わず、人が他人に損害を与えた際に損害賠償を補償することができる保険となります。

「他人への損害」とは、「体への障害」や「他人が所有する物」への損壊と物理的な損害を差します。従って賠償責任保険の適応範囲はその物理的な損害に対しての補償する保険です。その意味から、先述の件は物理的ではない「遅延」だったため適応外であるというのが今迄でした。この事例から各保険会社では、現状をあらため少しづつですが改善・改良されるようになりました。(後段にて)

特約という形

この賠償責任保険は、実は単体での保険は無く、別の保険に付随させる「特約」という形をとるのが常です。(主となる保険が自動車保険や火災保険)

この賠償という扱いが生保と損保との中間となるため特約という形は各社の事情から止むを得ないとも思えますが、将来的には単体保険になるかもしれませんね。特約の方が金額が少額で良いかもしれませんが。。。

尚、最大賠償額は1億円、保険料(特約)年間3千円位と言われています。下記に各社の社名をリンクにしていますのでご確認下さるか、お付き合いのある保険の営業ご担当者にご確認ご相談下さい。

 

PR 

 各保険会社の対応

保険会社も年々増加する認知症患者数と市場をにらみ、良い意味で恐らくインセンティブが働いたのだと思いますが、繰り返しになりますが、特約の範囲を拡張し現況に合わせるように改善されました。

今の所、大きく2点において改善されています。

1 今ある特約の「補償」範囲を拡大した保険会社

火災保険の一部を拡大(線路上への立ち入り列車を止めた、遅延させた場合に対応)

三井住友海上

 特約について

 http://www.ms-ins.com/pdf/information/product/kasai/201701_kasai_kaitei/gk.pdf

あいおいニッセイ同和損保

 オプション特約|タフ・住まいの保険|個人のお客さま|あいおいニッセイ同和損保

 上記2社(MS&ADインシュアランスグループ)からの共同発表資料PDFリンク

 http://www.ms-ins.com/news/fy2016/pdf/1031_1.pdf

2 「対象範囲」を拡大させた保険会社

補償を受けられる対象を契約時に記名した「記名被保険者」と同居の家族と別居の未婚の子としていたが、重度の認知症などで責任無能力である場合は、監督義務を負う別居の家族も対象として拡大させた保険会社

三井住友海上

あいおいニッセイ同和損保

東京海上日動火災保険

損保ジャパン日本興亜

※現時点でのまとめ

 

皆さんも各ご家庭で現在ご契約の損害保険とその特約(オプション)について改めてご確認されては如何でしょうか。私どもの場合はこの事すら頭にございませんでした。

 

今回は、主に個人賠償責任について記載しましたが、今後、認知症患者に対しての公的保険や民間保険(生保)の現状について記載したいと思います。

 

PR