帰省の準備と移動
Episode Day 0
身支度を整えるため、一旦自宅へ帰宅
先の一報を受け素早く準備しないと中国地方にある私の実家には、ここ東京から5-6時間程度は掛かってしまう。もしタイミング良く飛行機に乗れたとしても4時間強だ。
こういった場合は迷わず新幹線が確実だ。
案の定、ルート検索では20分差で飛行機の方が早いが実は大差ではない。
しかも、空席リスクを考えると言うまでもない。
先ずは1週間程度は必要になるだろうと必要な物をパッキングした。折しも年末に差し迫った時だ。
そこらにある洋服、下着類をボストンバックに手早く詰め込み、あとは金とパソコンとモバイルバッテリー類を放り込んだ。
後で判るのだが、実はあれもこれも必要だった。が、この時点では全く意識にすらない。まるで頭が回っていないのだ。
準備の途中一つだけ引っかかっていたことがあった。
「礼服はいるのか」縁起でもない。「要るかよ!。。。」
自宅を出る前に火の元と電気・ブレーカー、戸締りだけ確認し飛び出した。恐らく30分程度だったと記憶している。
いつもの慣れた移動と慣れない移動
飛び出した自宅から最寄りの駅まで黙々と歩いた。それなりに15分弱程度は距離は有るのだが、いつもの道とは全く別物の様だった。と言うより道中の情景が思い出せないのだ。何かを考えていたと思うが何を考えていたすら思い出せない。
使い慣れた電車を乗り継いで東京駅へ
電車移動の中で新幹線の指定席を予約していたから乗るにはスムーズだったが、既に15時を回っていた。待ち時間に30分程度は余裕があった。 その間、新たに弟から追加情報があった。
「警察犬連れて警察と山を捜索している」
山と言うのは裏山の事だ。と言っても、登山道が整備され標高400M、登山口から尾根までは高さとして約150M。南北に約8km、東西に約10kmの山だ。東西10kmは大したことないと思われるだろうが東京駅から中野までの距離は有るのだ。しかも登山道以外にも支道はいくつもあるし獣道もある。
予約の新幹線が来た。普段通り乗り込み座席に着いた。焦っているのか何回もEX-Cardをかざした際に出てくる紙の到着時刻を確認していた。
これから数時間の新幹線移動。思いは、見つかれ!、生きといてくれ!だけだった。
数時間ある新幹線移動は焦る気持ちで苦痛だった。。