高齢者と認知症と交通事故との因果関係
最近、高齢者と交通事故に関して報道で目にすることが増えましたね。
年を取るという事は自然の摂理であり避けることは出来ません。また、様々な理由で認知症を発症しご苦労をなさっている方も多いと思います。
今回は、認知症と交通事故に関してどういった関連があるのかを含め考えて行きたいと思います。
認知症高齢者の交通事故数
日経新聞が警察庁内で有識者を集めた対策会議資料を元に報じていました。
これによりますと、2016年に起きた75歳以上で死亡関連事故の公表された数字は
・死亡事故を起こした75歳以上の高齢者数 459名
・その内、第1分類(認知症の恐れ)に該当する方 34名( 7.41% )
・認知機能検査を要する違反(18項)者 31名
実は、データの公表は私が知っている中では初めて出てきた数字だと思います。
なぜなら認知症と交通事故との因果関係が分からなく、最近調べている最中だったからです。
認知症と交通事故の強調された関係の不自然さ
当初より疑問として、この因果関係があまりにも非科学的で間に合わせのような稚拙さを感じていたからです。勿論、日夜善良な市民を守るため懸命にご尽力をされている警察の方々を非難するつもりは全くございません。また、巻き添えに合い尊いお命を奪われた方にとってもお気持ちはよく分かります。
しかし先の事故関連の数値をフェアに見た場合、実はこの約7.5%の該当割合をどう見るかなのです。
多いと見るべきか、逆に「いや実は意外に少ないではないか」と見るかです。
無論、事故が起きないに越したことは無いに決まっていますが、あまりにも高齢者=認知症、認知症者が事故を起こしているんだ!というマスメディアを中心に流布された風潮と言うか思い込みが支配的ではなかったでしょうか?
先日にも書きましたが、法改正により免許更新の手続きにも良い面と悪い面(表現は良くないですが)少なからず影響が出ています。
運転免許と認知症(改正道路交通法3月12日施行) - FindingMyDad
認知症患者や認知症とは自覚してない方が何故事故をしてしまうのか?
出典:警察庁 「高齢運転者に係る交通事故の現状と対策」資料3より抜粋
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/koureiunten/kaigi/1/shiryo/shiryo-3.pdf
今の所分からない。というのが実際のようです。
資料等を拝見すると高齢者全体の事故原因に係ることで主な原因が「操作ミス」が多いことが読み取れます。しかし実際の認知症(者)が起こした事故原因や背景については、公開されている読める資料からは見えて来ません。
認知症患者及び認識していないが認知症に該当する方の事故原因が、例えば
・普段の道だが迷ってしまった。その結果発生したのか?
・道路標識の認識が出来ずその結果事故を発生させてしまったのか?(逆走等)
・発進 / 停車時にブレーキとアクセルを間違えたのか?
・等々
何がしらの原因を数値で科学的に解明する必要があると思います。それに依り対策を講じることが先決です。「認知症」ばかりに原因を押し付けて、その対策ばかりしていても結果的に高齢者の事故は減らないと先の数字を見る限り感じます。
テクノロジーで解決できる部分は早急に
私の身近なところでは70に近い私の母も車をバリバリ運転します。が、多少気になる所もあります。例えば、信号待ちからのスタートの場面や、安全確認の目線の方向等、以前と比べて若干粗いと言った感じでしょうか。かといって危険ではございません。
信号待ちからスタートする際、筋肉の衰えをカバーするのか踏み込みが以前に比べ多少急な時はございます。エンジンもビックリですよね。そんな時「ブレーキを戻すだけで少し進むから足載せる程度でゆっくりスタートしても後続車にはさほど迷惑にならんよ!」なんて口を出してしまいます。
こういったことをカバーしてくれるのがテクノロジーだと思います。
先のデータ(警察庁資料)にもございますが「急発信やブレーキの誤操作」による事故はこの技術で防ぐことができます。既にある技術なので採用を急いでほしい所です。
原因を突き止めるのが先で、悪戯に因果関係を結び付けるのは良くないですよね。近い将来、認知症患者でも、たまには自分で運転して外の景色を見るのも悪くないのではないでしょうか?そう言った未来が来ると良いですね。
その前に、認知症は「根治する病」となる事の方が先ですけどね。