電話が鳴る
Episode Day 0
昼が過ぎようとした時、ちょうどATMから出た師走の寒空の下でその電話は鳴った。
(画像 public domain 電話 | GATAG|フリーイラスト素材集)
掛け主は弟だった。
「お父さんがいなくなった!」
切羽詰まった声の調子。一言だった。当然、自分の耳を疑った。
「えっ?」
同時に、この事態は1年前より想定と覚悟をしていた。
が、風雲急を告げたこの事態は私の想像よりとてつもなく早すぎた。
「何時から?」
「昨日、朝、山に行くと行ってから。。。。」
「わかった、今からすぐに帰るわ!」
これは数年前に軽度の認知症を患った父が行方不明となった、我が家族に起きた事です。
多くを事実に基づいて書いて行こうと思いますが、ご協力頂いた方々に配慮し一部は変更してお伝えしようと思います。ご了承下さい。
昨今、高齢者の多くが患うと言われる認知症について、また今現在、病と戦われているご自身とご家族、行方不明になるかもとご心配に思われている方々に
お役に立つことを願って。。