徘徊から行方不明その距離は?
随分前になりますが、同地域で認知症を患った方が行方不明になりました。数時間後に見つかり事なきをえたのですが、この方は以前にも同様の事案が起きておりその際も帰宅が出来なくなっていたようでした。
このように徘徊は起こるものですし、日頃より地域がその対応・対策を講じ周知していれば、ある程度は本人並びにそのご家族も安心して過ごして頂けるものかと思います。
この方を事例にしては恐縮ですが、もし、あなたのご家族が、近所の方が、あなたがご支援していらっしゃる方が、行方不明になったら経過時間に応じて大体の距離を頭に入れて探す必要が出てきます。
以下の話は、人口密集地や交通の便が良い所謂「都市部」というより「歩き」を主とした地方に片重したケースとして捉えてください。
今回は距離と経過時間について触れてみたいと思います。
行方不明そして発見の事例(概要)
・60代女性、症状としては初期から中程度、冬の時期
・時間軸 夕方4時過ぎ発生し、発見は夜8時過ぎ(約4時間経過)
・発見場所は交差点角の専門店の店舗前(比較的電灯で明るい場所)
・距離 自宅から半径2km、辿ったであろう距離2.5km
・発見者 自治体運営の一斉メール(登録者)を拾った方
発見に至った要素
この方が安全に見つかったのは、管轄自治体の体制と、この方とご家族が積極的に民間支援団体に属していたことが大きいと私は考えています。
(当該自治体は、地域包括センターを中心に出来うる範囲で徐々にですが対策を講じ、日々ご尽力されています)
さらに今回は特に以下2点が発見に至った時間的要素として大きいと思われます。
1. ご家族から地域包括センターへの連絡が速やかだった事。(包括センターは警察と連携しています)
2. 同時に民間支援団体の代表者にほぼ同時にSOS連絡をしていた。従って捜索に参加できる方の人数が確保できた。
この体制とはいえ、しかし実際は想像よりかは、あまり多くない方での捜索となっていました。(ここは改善の余地がございました)
経過時間 x 速度 = 距離
時間が経つと捜索距離は長くなるというのは容易に想像できると思います。その人が日頃どの程度歩くのかは知っておくべきことになります。
通常、大人は平坦な所で時速4kmと言われます。
つまり1時間に4kmは進む計算が成り立ちます。しかし、ここに変数を入れて捜索範囲を組む必要があるのは容易に推測されると思います。
変数とは、その方の体調・外出目的、地域状況や地形(UP/DOWN)、道路(直線的か複雑か)、交通機関の有無、所持金(交通機関が使えるか)を考慮し範囲を見積もる必要があると考えています。
私の父の場合は、健脚で普段の活動範囲は半径4-5km、しかし所持金は1000円程度。それでも想定した範囲に痕跡は今の所ございません。
一方、前段で事例としました方は当初想定していた捜索範囲より逆に範囲内でもっと手前でした。
捜索をする場合、想定した捜索範囲の外周から内側へのグループと内から外へのグループの大きく2つに分け探すことと、同時になるべく多くの方の目のご協力を得られるかに尽きるかと思います。
※実際は二手に組むことは大変難しいです。あれこれ言っている間に時間が立ちます。日頃から各地域で話合っておくのも視野に入れる必要があると考えています。
下記は以前ブログに記載した2つの記事です。ご参考になさって下さい。
もし大切な家族が行方不明になったら。。捜索方法 - FindingMyDad
どの地域も高齢になっても住みよい街であって欲しいですよね。
子供も勿論大切です。が、お年寄りも地域で住み良い街を目指し安心・安全にしていくことは、「後々の若い世代にも恩恵がある」と言えるのではないでしょうか。
誰もが漏れなく年を取りますから。。